リオのカーニバルに象徴される陽気なエネルギー、アマゾンの神秘、コルコバードのキリスト像、そして情熱的なサンバのリズム——南米最大の国、ブラジルは多様な魅力にあふれています。しかし意外にも、この広大な国ではカジノに関しては長らく厳しい規制が敷かれてきた歴史があります。
実際、1946年に全国でカジノが禁止されて以降、ブラジル国内には正式なランドカジノは存在していません。現在あるのは、「ジョゴ・ド・ビショ（動物くじ）」や「スポーツベッティング」などの一部合法化されたギャンブル形態、あるいは観光客向けのエンターテインメント施設内の非カジノ型ゲームセンターなどに限られています。
とはいえ、近年では経済活性化・雇用創出・観光拡大の観点から、カジノ合法化に向けた法改正の動きが加速中です。2022年には連邦議会で合法化法案が下院を通過し、上院での審議に注目が集まっています。実現すれば、リオ・デ・ジャネイロやサンパウロなどの大都市、さらにはリゾート地にIR型（統合型リゾート）ランドカジノが誕生する可能性もあります。
それでは、ブラジル国内で現在プレイ可能なギャンブル施設や、将来的に注目されるカジノ候補地をご紹介します。渡航や観光の参考情報としてお役立てください。
ブラジルには 現時点ではランドカジノ（実店舗カジノ）は存在しません。1946年にすべてのギャンブルが禁止されて以来、その措置は現在まで続いており、カジノの運営は禁止されています
🇧🇷 ギャンブルの現状と将来展望
✅ オンラインとスポーツベッティング
- 2018年にスポーツベッティングが合法化され、2023年12月の新法により オンラインカジノ（固定オッズベッティング含む） の規制枠組みも設定されました 。
- 2025年1月から本格ライセンス制度が動き出し、30 Mレアルの取得費用で正式ライセンスが交付されています 。
🚫 ランドカジノ（実店舗）の禁止
- ランドカジノは禁止のままで、物理店舗でのギャンブル運営は依然として刑事罰の対象です 。
🔜 近い将来の展望：合法化の可能性
- 2024年6月、下院の司法市民委員会で PL 2234/22（ランドカジノ合法化、ビンゴ、馬券などを含む）が承認
- 続く2025年4月には上院に提出準備が整い、年内～2025年中に可決される可能性も高まっています 。
- 可決された場合、統合型リゾート型カジノ（IR型）として、各州に1～3か所、ホテル併設で営業が可能になる見込みです 。
✅ 現時点のまとめ
| ギャンブル形態 | 法的現状 |
|---|---|
| ランドカジノ | 完全禁止（1946年以来） |
| ビンゴ | 過去に一部合法 → 禁止へ |
| スポーツ／オンラインベッティング | 2018年・2023年の規制強化により合法 |
| カジノ・IR型施設 | 現在審議中（州IR型カジノとして導入予定） |
🕰️ 将来的な情勢予測
- 上院での最終承認が得られれば、2025年下半期～2026年にかけてランドカジノの設置が可能になるかもしれません。
- 可決後は「IR型リゾート」形式で国内初のカジノ施設が複数州に出現することも期待されています 。
- 批評家や宗教勢力との摩擦もあり、最終可決には慎重な政治運営が必要とされています 。
🔍 補足情報
- 「カジノのないリゾート施設（ギャンブル機能なし）」や、既存のホテル内に密かに設置されたスロットマシンなどは グレーゾーンにとどまっており、明確な合法化には至っていません。
- 歴史的には、リオやペトロポリスの「カジノホテル」などが存在しましたが、すべて1946年の法禁止以降は廃業または転換されています 。
✅ 要点まとめ
- 現在、ブラジルにはランドカジノはありません。
- オンラインギャンブル・スポーツベッティングは合法。
- ランドカジノ合法化法案（IR型導入）が審議段階にあり、2025年中の可決が見込まれています。
ブラジルにおけるカジノの歴史は、**規制の中に可能性が眠る“発展途上の市場”**と言えるでしょう。現在は本格的なランドカジノを体験することはできませんが、法改正が現実味を帯びてきた今、今後の展開に世界中のカジノ運営企業が熱い視線を送っています。
カジノこそ未整備ながら、世界遺産、壮大な自然、情熱的な文化、ブラジル料理、音楽、そして人々の明るい笑顔が旅行者を魅了してやみません。これらを堪能しながら、スポーツベットや宝くじ、合法範囲のゲームを楽しむのもまた一つの選択肢です。
そしてもし、カジノが合法化されたとき——それは間違いなく、ブラジルの観光産業が新たな時代を迎える瞬間となるでしょう。“未来のカジノ王国”としてのブラジルに期待を寄せつつ、今のうちにその魅力を体感してみてはいかがでしょうか？
コメントを残す